五感を使って心をほぐし、自分への優しさを取り戻す。kukuruartが贈る癒やしの時間 #2

※ 全2話の 2話目

『これ“で”いい』ではなく、『これ“が”いい』を探して

インスピレーションを働かせて、思い思いに描く。二度と同じ作品ができないことも、アルコールインクアートの魅力。
インスピレーションを働かせて、思い思いに描く。二度と同じ作品ができないことも、アルコールインクアートの魅力。

kukuruartでは、「五感を感じる」をテーマに、ワークショップを開催しています。アルコールインクアートをはじめ、サンキャッチャーやバスボムづくり、ハーブ体験などさまざまですが、相場さんはどのワークショップでも共通して決めていることがあります。

「色やパーツなどは、指定せずに選んでもらうことです。私からあえて指定はしません。なんの形がいい?どんな組み合わせがいい?って。すると子どもたちは盛り上がって、楽しそう。隣には、できればお母さんやお友達がいてほしい。共有した体験って、ずっと心に残りますから」。

オープン当初は、子どもたちが自由に心を解放できる場になればと思って立ち上げた「kukuruart」。しかしオープンから1年あまり経ち、「想像以上に大人の方の受講が多かったんです」と相場さんは振り返ります。

「アルコールインクアートの体験では、参加者に好きな色を選んでもらうのですが、なかなか選べない方が多いんです。『どの色がいいの?』『どれが正解なの?』と、つい考えてしまうのでしょう。でも、kukuruartでは『これ“で”いい』ではなく、『これ“が”いい』を探してほしいんです」

好きな色を選んでと伝えると、子どもは一瞬で決めてしまう。でも、大人は時間がかかる方が多いですね」と相場さん。
好きな色を選んでと伝えると、子どもは一瞬で決めてしまう。でも、大人は時間がかかる方が多いですね」と相場さん。

中には、色を選ぶのに30分ほどかかってしまう人も。あえて詳しい技法も伝えず、選んだ色で自由に描いてもらいますが、体験が進むにつれて、表情が少しずつ変化してくると話します。「最初は硬い表情だった方が、出来上がった作品を前にニコニコしながら、喜んでいる。『意外とできるんだ。私ってすごい!』そんなふうに、自分を肯定できるようになった姿にいつも感動します」

「疲れているときって、疲れていることにすら気づいていない。何をしたいかわからない、やりたいことがわからないという人は、仕事や家事、子育てなど目の前のことに一生懸命取り組んできたからこそ、自分を置き去りにしてしまったんだと思うんです。kukuruartのワークショップを通して心を癒やし、自分を肯定し、自分に優しくできるようになってもらいたいですね」

目指すのは、誰もが想いを共有し、共感できる場所

kukuruartのアトリエ。窓から見える木々の緑はまるで絵画のよう。
kukuruartのアトリエ。窓から見える木々の緑はまるで絵画のよう。

相場さんは、糸島生まれ・糸島育ち。幼い頃から近くに海があったといい、心が疲れた時は、海岸に立ち寄って海を見ながらぼーっとした時間を過ごしているそう。作品のインスピレーションを海からもらうことも多いといい、「だから、私の作品には青がたくさん使われているんだと思います」と笑います。

終始、おだやかに優しく、でもときにこちらが驚くほどのエネルギッシュな姿や言葉を見せる相場さん。今後は「子どもだけ、大人だけじゃない、みんなで一緒に驚いたり、共感が得られたりする場所を作りたい」と声を弾ませます。

目の前のことに一生懸命向き合ってきたからこそ、いつの間にか溜まってしまった、不安やもやもや。吐き出し方が分からないという方は、一度、kukuruartの扉を叩いてみませんか。自分に向き合うことで五感を呼び覚まし、心をほぐして、優しさを取り戻すことができる。そんなひとときを、相場さんは今日もそっとサポートしてくれます。

語り部一覧

kukuruart /
相場華奈さん
福岡県糸島市出身。二児の母。およそ15年、小学校の講師として勤めるも、2021年に退職。五感を使ったワークショップを開催する森の体験ひろば「kukuruart」を2022年春にオープンした。

体験一覧

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