第3回:分量はざっくり、簡単に美味しくできるずぼら梅仕事

※ 3話目

こんにちは。福岡県糸島市で「食べもの・お金・エネルギー」をつくる“いとしまシェアハウス”の畠山千春です。

糸島の山の中で、お米、肉、塩、味噌……いろんなものを自分たちの手で作り続けて12年。「これは意外と自分たちで作れる」と嬉しくなったものもあれば、「自給するのは難しい!ありがたく購入しよう」と思ったものもあります。そんななかで梅仕事は、簡単で美味しく、毎年作り続けているもののひとつ。

というのも、我が家の庭には3本の梅の木があり、さらに管理している果樹園にも立派な梅の木が何本も生えているため、梅の実が手に入りやすい環境なのです。しかも、農薬や肥料を使わず、大地のエネルギーだけで育ったたくましい梅たち。これを活用しない手はありません。毎年5月末に収穫し、多く実った年は販売もしています。

しかし困ったのが、この季節は田んぼ準備のタイミング。畦塗り(あぜぬり)といって、田んぼの水が漏れ出さないように田んぼの周りに土手を作る作業をしたり、田んぼに水を入れたり……その合間に梅を収穫しなければいけないので、もう大忙し!しかも、ちょうど枇杷(びわ)の収穫時期ともかぶっています。

田んぼに枇杷に梅仕事。自然のリズムは決して待ってはくれないので、我が家では、限られた時間を活用してささっと梅を仕込みます。分量はざっくり。下処理も適当!足りなかったら様子を見ながら足せばいいや、くらいのゆるさで毎年仕込んでいます。

忙しくて梅仕事、できる自信がない……という方にも、胸を張っておすすめできるざっくりレシピ、ご紹介します!

梅仕事の王道!梅シロップ

梅仕事の中でも一番簡単なのが、梅シロップ。火も使わないので、お子さんと一緒に楽しみながら作業するのもおすすめです。完熟梅だと甘味が強いシロップに、酸味のある梅の風味を楽しみたいなら青梅がおすすめです。

<材料>

・梅
・お砂糖(我が家はきび砂糖を使っています)、ざっくり梅の重量の半分〜同量くらい
・消毒した瓶

(1)梅のヘタを取り、梅にフォークで穴を開ける(時間がない人は飛ばしてOK)
(2)瓶に梅と砂糖を交互に入れる
(3)2週間程度で完成!梅の実を取り出し、液体と分けて保存

以上です!

我が家くらい適当になると、梅のヘタは取らず、もはやお砂糖も計りません。梅を瓶に入るだけ入れて、お砂糖をザーッと入れるだけ。梅も入れっぱなしです。笑 

ただ、梅を入れっぱなしにしていたりお砂糖の量が少なすぎると、シロップが発酵し、泡立って甘みが少なくなってしまうのでそこだけ気をつけて。お砂糖少なめレシピのときは、出来上がったシロップをさっと沸かして保存すると発酵せず甘いまま楽しめます。取り出した梅は冷蔵庫で保存し、ヨーグルトと混ぜて食べると美味しいですよ。

出来立ての梅シロップは、夏の暑い日に炭酸で割って飲むと最高です!

どんな梅でもどんと来い!傷んだ梅の救済レシピ“梅ジャム”

青梅でも完熟梅でも、傷ついた梅でも、ちょっとカビちゃった梅でも作れるのが梅ジャム!すぐ作れて驚くほど美味しいので是非試してもらいたいです。傷んだ梅は、傷んだ部分を切り落としてきれいなところだけ使いましょう。

<材料>

・梅
・お砂糖、ざっくり梅の半分〜同量くらい
・消毒した瓶
・鍋

(1)梅を鍋に入れて弱火で煮る
(2)梅を味見して、苦くなかったらお湯を捨て梅を取り出す
  梅が苦かったらお湯を捨てて水を入れ、もう一度煮直し、梅を取り出す
  ※青梅はそのまま食べると毒成分がありますので、必ず十分に火が通った段階で味見をしてください。
(3)種をとった梅を鍋に入れ、お砂糖と一緒に煮る
(4)消毒した瓶に入れて完成!

お砂糖はお好みで。味見しながら「美味しい!」と思った量で自由に作ってみてください。ヨーグルトに、パンに、お肉料理の隠し味に大活躍します。梅シロップと違って待たずにすぐ食べれるのが嬉しいポイント。

重石なし、転がすだけで作れる梅干し

料理に欠かせない梅干しも、材料は梅と塩だけととってもシンプル。美味しい梅干しを作るには、食塩ではなく自然塩で仕込むことをおすすめします!

<材料>

・完熟梅(傷がないものがおすすめ)
・美味しい塩、ざっくり梅の18%くらい
 (我が家はカビ防止のためにちょっと塩分強めで仕込んでいます)
・消毒した瓶
・アルコール度数35度以上のウォッカやホワイトリカー
・赤紫蘇(塩揉み用の塩は赤紫蘇の18%くらい)

<下処理>
ボウルに洗った梅を入れ、少量のホワイトリカーを回しかけ梅の表面に馴染ませる。

(1)梅のヘタをとる
(2)消毒した瓶に、梅と塩を交互に入れる
(3)瓶をくるくる回して梅酢(梅から染み出してくる液体)が上がるのを待つ
(4)赤紫蘇を入れたい場合は、紫蘇の18%の塩で塩揉みをし、灰汁を抜いてから入れる(赤紫蘇はなくてもOK!)
(5)梅雨が明けたら、よく晴れた日に数日天日干しする

梅酢が上がるまではカビやすいので、できるだけ毎日瓶を転がして塩を行き渡らせましょう。また、使用する瓶は丁寧に消毒しましょう。

梅仕事は毎年実験!

梅ジュースはお砂糖と混ぜるだけ。梅干しはお塩と混ぜるだけ。梅酒は、お酒に漬けるだけ……。そう考えたら、梅仕事のハードルが下がったような気がしませんか?

失敗しても大丈夫、なんだかんだ美味しく食べられます。うまくいったり失敗したりしながら、だんだんと【自分だけのレシピ】が出来上がっていくもの。「今年こそ梅仕事をやってみたいな」という方は、思い切って挑戦してもらえたら嬉しいです。


三ツ矢青空たすき編集部より:
今回もちはるさんが、「私でもやってみようかな」と思えるお手軽な手仕事のレシピを紹介してくださいました。

今まさに梅が旬ですね。(この記事は6月20日に公開されました)「梅雨」の言葉の由来にもなっている梅。雨が続くこの季節、おうちの中で旬の梅を使った手作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。梅シロップを炭酸水で割れば湿気の多いこの季節も爽快感たっぷりに乗り切れそうです。

雨で野外へのお出かけが中止になってしまうようなこの季節、いとしまシェアハウスの動画視聴プログラムもオススメです。美しい棚田を見て、梅雨明けに糸島に行きたくなってしまうかも!灰洗剤も作れるので、視聴後に家の中も綺麗にしてしまいましょう。

https://mitsuya-aozoratasuki.asahiinryo.co.jp/exp/2017/

第4回:風景の作り手になろう!里山を守る棚田のオーナー制度

語り部一覧

いとしまシェアハウス /
畠山千春さん・志田 浩一さん
いとしまシェアハウスは、「食べ物・お金・エネルギーを自分たちでつくる」をコンセプトにした、自然とつながるシェアハウスです。棚田に囲まれた集落の中で、田んぼや畑・猟を行い、築80年の古民家を改修しながら、様々な個性を持つ男女が共に暮らしています。
ここでは、体験したこと、つくり出したものをたくさんの人たちと“シェア”する暮らしの実験を行っています。

みんなの感想

  • 小笠原幸子さん

    自然を大切に

    地球と自然を大切にしてくらしたいです

    • 三ツ矢青空たすきスタッフ

      共感いただき、ありがとうございます*
      私たちにできること、少しずつでも一緒に積み重ねていきましょう!

  • 匿名さん

    すごく勉強になった。はじめてだけど、梅干し挑戦してみます。心配だけどレシピを見ながらやってみます。

    • 三ツ矢青空たすきスタッフ

      コメントありがとうございます。私たちもちはるさんのレシピを見て、何か一つはやってみよう!と話しております。自家製梅干しぜひ上手くできたらまた教えてください。

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