第6回:春の野草でデトックス!生命力溢れる野草の簡単美味しいレシピ5選

※ 6話目

こんにちは。糸島で「食べもの・お金・エネルギー」をつくる“いとしまシェアハウス”を運営する畠山千春です。

長い冬が終わり、暖かな春がやってきました。太陽のパワーが日に日に強くなり、季節が移り変わっていくのを肌で感じる今日この頃。私たちが住む山では、冬の眠りから目覚めた植物たちがあちこちで芽吹き、鮮やかな緑が山全体を包み込むようにゆっくりと広がっています。

この季節で一番楽しみなのが、春の野草。美味しいのはもちろん、冬の間に体内に溜まった老廃物の排出を助けてくれるという嬉しい働きもあるのだそうです。初めて田舎に飛び込んだ年は全てが新鮮で野草もあれこれ挑戦して食べていましたが、12年も田舎暮らしをしているとだんだんと下処理に手間がかかるものは少しずつ手が伸びなくなってきます(笑)。

今回は、たくさんの山の野草を食べてきた私たちが厳選する、簡単に見分けられる&すぐに食べられる野草と、その美味しい食べ方をご紹介します!

野草を摘む際に注意すること

あちこちに芽吹く春の野草。摘むのが楽しくてつい夢中になってしまいがちですが、気をつけた方が良いことがいくつかあるので、以下にまとめておきますね。

・土地の持ち主さんに許可を得ること
・排気ガスや動物の糞などの影響が無い場所を選びましょう
・根こそぎ取らず、必要な分だけ取りましょう

おすすめの春の野草!

(1)ヨモギ 

野草の王様といえば、ヨモギ!デトックス、血行促進作用、胃腸の調子を整えてくれるなどさまざまな効果があると言われています。葉の裏が白っぽく、触ると柔らかい毛があるので見分けやすいと思います。天日干しにしてお茶にしても美味しいです!

<おすすめの食べ方>

ヨモギだご汁

・ヨモギを細かく刻む
・ヨモギ、小麦粉、水、塩、料理酒少しを合わせ、練って団子状にする
・お味噌汁に入れる(お吸い物にも!)

ヨモギの風味が感じられる、簡単だご汁。摘んでからすぐに食べられるので手間いらず、食べやすいので、野草が初めての人にもおすすめ。

(2)ノビル

緑色の細長い葉と球根状の根部が特徴の野草。葉の中は空洞になっています。風味は、ニラとネギの間のような感じでしょうか。外見は毒性のあるスイセンと似ているので、間違えないように香りを確認してください。我が家では小ネギの代わりに使用しています。酢味噌和えや炒め物に。

<おすすめの食べ方>

ノビルのオイル漬け

・ノビルを細かく刻む
・鍋にノビルを入れ、ひたひたになるくらいのオリーブオイル、塩をひとつまみ入れくつくつ煮る
・ノビルがしんなりしたら瓶に移して完成。

ノビルを大量に収穫したときの保存食レシピ。パンに塗ったり、お豆腐に乗せたり、ドレッシングがわりにしてみたり、なんでも使える万能調味料。ノビルがしっかりとオイルに浸かっていれば、冷蔵庫で数ヶ月もちます。

(3)ツクシ

春を象徴する野草、ツクシ。成長が速いので、見つけたらすぐに採取するのがおすすめ。大きくなりすぎると先端の胞子が開いてしまい、独特の風味が弱まってしまいます。逆に苦いのが苦手な方は、大きく育って胞子が放出された後のものを食べるといいかもしれません。また、普通はハカマ(茎の途中についている硬い葉のようなもの)を取り除いて食べますが、我が家は手間なので取らずにそのまま食べてしまいます。そこまで大きく育っていないツクシなら気になりません。

佃煮や卵とじが定番ですが、私は醤油と胡椒でジャッと炒めるのが好き。ほろ苦い風味がお酒のおつまみにぴったりです。

紫の花がついているのがカラスノエンドウ。

(4)カラスノエンドウ

食べられると知って驚いた野草の一つ。マメ科なので、ちょっと青っぽい豆の風味がします。ただ、大きくなりすぎると筋っぽくなりえぐみが強くなってくるので、若い芽をサラダに振りかけるくらいがおすすめ。小さな紫色の花をエディブルフラワーとして食べるのもおしゃれ。生でも食べられますが、お浸しや炒め物など、加熱した方が食べやすいと思います。アブラムシがついていることが多いので、食べる前はしっかり洗って。

<おすすめの食べ方>

カラスノエンドウと野花のサラダ

・若いカラスノエンドウを一口大にカットする
・レンゲや菜の花など、季節の野花を用意する
・キャベツやレタスなどでベースを作り、カラスノエンドウと野花を散らして完成

食べて美味しく、見た目も美しい春のサラダ!食卓が一気に華やかになるので、パーティーなどにもおすすめ。ぜひ試してみて欲しい一品です。

(5)セリ

水辺でよく見られるセリは、爽やかな香りが魅力。似ている野菜でいうと、三つ葉が近い風味でしょうか。下処理が必要ないので、すぐに食べられるのが嬉しいポイント。お味噌汁やお吸い物に入れるだけで、春の風味が簡単に味わえます。

注意したいのは、似ている野草に毒を持つ“ドクゼリ”があること。ドクゼリはセリよりも大きく、セリならではの香りもありません。どちらかわからない場合は、茎を折って匂いを確認してみてください。

<おすすめの食べ方>

セリと野草の天ぷら

・セリや他の野草を一口大にカットする
・小麦粉、塩、料理酒少々、炭酸水で天ぷらの衣を作る
・さっと揚げて塩でいただくと、野草そのものの風味が感じられて美味しいです。

癖のある野草を食べるのに一番おすすめなのは天ぷら!王道ですね。水のかわりに料理酒や炭酸水を入れるとカラリと揚がります。お試しあれ。

さて、みなさん。食べてみたい野草はありましたか?

野草の醍醐味は、味だけでなく「自分で採って食べる」ところにあると思っています。自然の中から、自分の知恵と技術で食糧をゲットできる幸せ。買って食べる普通の野菜では感じられない、特別な喜びがあるのです。そしてこれが、ささやかながらも生きる力に繋がっています。

また、農薬も肥料もない環境で生き抜く野草には、強い生命力があります。特に春の野草は、冬の間蓄えられたパワーが一度に解き放たれるような、そんな力強さを感じます。食べることは、その生き物と同化すること。野草を食べることで、その力をお裾分けしてもらっているような感覚になります。

都会に住む方でも、少し足を伸ばせば手軽に摘める野草はたくさんあると思います。野草は、春にしか食べられない最高のごちそう。今年は、春の風を感じながら野草摘みに出かけてみませんか?


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いとしまシェアハウス /
畠山千春さん・志田 浩一さん
いとしまシェアハウスは、「食べ物・お金・エネルギーを自分たちでつくる」をコンセプトにした、自然とつながるシェアハウスです。棚田に囲まれた集落の中で、田んぼや畑・猟を行い、築80年の古民家を改修しながら、様々な個性を持つ男女が共に暮らしています。
ここでは、体験したこと、つくり出したものをたくさんの人たちと“シェア”する暮らしの実験を行っています。

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