第１回のお野菜：にんじん

はじめして。
福岡県糸島市で野菜農家をしている卯農園の三角麻里子です。
３０歳のときに糸島に移住して農家になりました。 卯農園では農薬や化学肥料に頼らない野菜作りを模索して土づくりから研究しています。
季節ごとに色々な野菜を育てており、それをセットにして定期便でお届けをしています。
私の大好きな野菜の品種や食べ方をお伝えすることで
食卓がもっと楽しく、美味しくなるお手伝いができればと思っています。

第1回は、卯農園イチオシの「にんじん」のお話をさせていただきます。
「にんじん」といえばオレンジ色の西洋人参をイメージすると思いますが、他にも赤く細長い東洋系の金時人参、黄色い沖縄の島人参、紫人参や白い色の人参などがあります。

今は西洋人参が主流ですが戦前までは金時人参が主流だったそうです。近年では金時人参はお節料理に使うだけで、ふだんから使っている方はほとんどいないのではないでしょうか。
実は私もそうでした！ですが金時人参は西洋人参より甘く栄養価も高く、人参特有の臭さも少ないので人参嫌いな人にもおすすめなんです。
金時人参の美味しさに気づいてから、卯農園では西洋人参と一緒に金時人参、そして紫人参や黄色い人参など４種類の人参を栽培しています。

金時人参は３０センチ以上の長さになるので収穫も洗浄も手間がかかります。
農業は機械化、効率化の世界なので、機械で早く大量に収穫できる西洋人参が主流になってしまいましたが、私たちのように同時に多品目を育てている小さな農家にとっては、いろいろな品種の野菜を育てられることは喜びです。

九州では年に２回、夏と春に人参の種まきができます。甘くておいしいのは冬の寒さにあたった人参なので、私たちは春に人参はほとんど作りません。同じ人参でも全く別物の味です。最近は夏が長くて暑いので、冬人参の種まきは８月末か９月初旬にしています。

種をまいて発芽するまで１０日間毎日水やりをします。１～２列ずつしか水やりができないので、かなりの時間を費やします。多少水やりしたくらいではすぐに蒸発してしまうので、何度も水をかけます。このとき、雨のありがたさを心から強く感じます！
とにかく発芽させることが一番重要です。ただ雨が降ればいいわけでもなく、台風や集中豪雨などで大雨が降ると種が雨にたたかれて流れていってしまいます。そのため、種をいつ撒くか天気予報とにらめっこです。そしてあとはもう祈るしかありません。
無事に発芽してくれたら次に重要なのは雑草に負けないこと！発芽した人参の葉っぱは細くてか弱いので、雑草に埋もれたら負けです。１日中草取りしても５０メートルも終わらない・・・ということになります。

１１月頃から立派な人参に成長してくれます。１０月頃に間引いた人参の葉っぱは、まだ柔らかいのでかき揚げやふりかけ、ジェノベーゼにしても美味しいです。
１２月末頃から甘みが増してきて美味しくなります。
機会があれば、色々な人参の栽培にチャレンジしてみてください。

卯農園お気に入りのレシピ

人参と生姜のスープ

材料　人参 　500g
　　　生姜　30g
　　　菜種油　大さじ3
　　　塩　適量
　　　水　※鍋にいれた野菜の2㎝上くらいまでかぶる量

①人参は皮ごとよく洗って、1.5センチほどの輪切りにする
②生姜はよく洗って皮ごと薄切りにする
③厚手のお鍋に菜種油を注ぎ、人参を並べ、その上に生姜を重ねる
④鍋に水を野菜の上２㎝くらいまで注ぎ、中火にかける
⑤沸騰したら弱火にしてフタをする。人参が柔らかくなるまで待つ。
⑥生姜を取り出し、人参と煮汁をミキサーにかける。
⑦⑥を鍋に戻し、塩で味を調える

【卯農園から一言】
朝晩まだ肌寒い日におすすめの生姜が効いたスープ。
牛乳や玉ねぎを入れなくてもこんなにおいしいスープができるんだ！
と感動したスープです。塩の代わりに塩麴や玉ねぎ麹を入れてもおいしいです。

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人参エスニックライス

材料　お米　２合
　　　人参　100ｇ
　　　無塩バター　20g
　　　ナンプラー　大さじ1
　　　レモン　
　　　お好みのハーブ（パクチー、イタリアンパセリ、ルッコラなど）

①お米は研いで３０分ほどザルにあげて水気を切る
②人参は細かいみじん切りにする
③お米、人参、分量の水（お米2合分に対して適量の水）、バター、
ナンプラーを加えてご飯を炊く
④食べる直前に、ご飯にハーブを乗せてレモンを絞る

【卯農園から一言】
炊飯器に入れて炊くだけの簡単レシピ。
ナンプラーが入っているのに、そんなにクセがなく食べやすいです。
ぜひレモンを絞って食べてみて下さい。お肉やサラダにも合う万能ごはんです。
お好みでナンプラーを増やしたり、お醤油を少し入れたりしてもおいしいです。

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