ちはるの糸島ナチュラルライフ
第11回:畑、棚田、渓谷、海……大人も楽しい、糸島の今年の夏の思い出ふりかえり。

こんにちは。糸島で「食べもの・お金・エネルギー」をつくる“いとしまシェアハウス”の畠山千春です。私たちの暮らすシェアハウスは、ちょっと自慢できる立地にあります。
歩いて行ける範囲に、渓谷、棚田、そして海! まるで自然のテーマパークのような環境なのです。
そこに一緒に暮らし作りをするインターン生2人が加わり、今は毎日が小さな夏休みのよう!「ここで暮らすって、どんな感じだろう?」そんな疑問に答えるべく、今年の夏を振り返りながらそのくらしぶりをご紹介します。
今年の夏のインターン生は2人!

ここで夏のインターン生を少し紹介します。ひとりは20代、会社を思い切って辞め、日本全国を旅するなかで参加してくれた男の子。コミュニケーションが上手でとにかくエネルギッシュ!もともと農業用機械のメーカーで働いていたこともあり、経験豊富で頼もしいメンバーです。
もうひとりは京都出身の大学生の女の子。いつかは自分も田舎で暮らしを作ることが目標だそうで、我が家の暮らしをなんでも楽しんでやってくれています。この子が作る場がどんなものになるのか、将来が楽しみです!
とにかく何でもやってみる精神が眩しいふたりのおかげで、笑いありハプニングありの楽しい日々を送っています!
夏の1日は朝が早い

気候変動の影響で、ここ数年の夏は本当に容赦ない暑さ。昼に作業をすると頭から湯気が出そうになるので、活動のスタートは必然的に早朝になります。
開始時間は、衝撃の(?)朝6時。夜型人間にはなかなか辛い時間。みんなで畑に集まり、今日の“朝活”が始まります。この間きれいにしたはずの畑も、気がつけば雑草がぼうぼう。朝露に濡れた草の匂いを感じながら、カマを片手にザクザクと草を刈っていきます。
畑に育つのは、トマト、ナス、オクラ、ゴーヤ、きゅうり、ししとう…夏の色を彩る野菜たち。収穫は決して大量とは言えませんが、自分たちで手をかけて育てた野菜は、驚くほど甘くてみずみずしい。7人の住人とインターン生2人で分け合えばあっという間になくなってしまいますが、 「これ、今日収穫した野菜だよ!」と食卓で笑いあえる時間は、何物にも代えがたいごちそうです。

そして畑が終わったら、棚田へ。棚田のオーナーさんたちと一緒に、田んぼの草刈りをしていきます。実りといえば黄金色の稲穂を想像する人が多いと思いますが、私は青々とした稲の緑が好き。朝の光にきらめく緑の田んぼに立っていると、自分まで清々しくなっていく気がします。
意外と蚊がいない!

「田舎暮らしって虫との戦いでしょ?」といわれますが、ここ数年、実は真夏のピークに蚊をあまり見かけなくなりました。人間と同じように、蚊も暑すぎて活動できないのかもしれません。
そして、夏に少なくなったかわりに秋に大量発生するようになりました。あまりにも蚊が多いので、去年は10月に蚊取り線香を焚いたほど。この時期に蚊取り線香なんて、数年前から比べると信じられません。遠くない未来、もしかしたら、蚊は秋の虫になるかもしれません。こういう小さなところからも、気候変動の影響を感じます。
暑い日中は、渓谷へ

午前中の作業を終え、汗だくになったら、次は渓谷へ。棚田を登り切った先にある森の中に、私たちの秘密の避暑地があります。木々がトンネルのように渓谷を覆っているので、夏の強い日差しも柔らかくキラキラに。まるでフィルターを通したようです。
川に近づくだけで体感温度がふっと下がり、まるで天然のクーラー。水に足を入れれば、氷を浮かべたみたいにひんやりとしています。
インターン生は「もう我慢できない!」と服のまま川へ一直線。プカプカ浮かんで「都会のサウナより整う」と満面の笑み。「もう少し上を探検してきます!」と沢の上のほうに行ったインターン生を見送りつつ、流れる水の音を聞きながら木陰でお昼寝…、最高のぜいたくです。
山から降りたら海へ!

渓谷を満喫したあとは「せっかくだから海も行こう!」と、シェアメイトが提案。 車で5分も走れば、今度は青い海が広がります。潜って魚を突く人もいれば、砂浜に寝転んで空を眺める人もいる。思い思いの時間を過ごしながら、最後には「今日の夕飯!」とシェアメイトが魚をゲットしてくれました。とれたての魚を焼いて、みんなで食べる。この時間が最高の幸せです。

そういえば、少し前にインターン生の1人が海でクラゲに刺されてしまい、唇が漫画のように腫れ上がってしまいました。最初は痛々しくてみんな心配していたのですが、巨大タラコのような唇にみんなだんだんと面白くなってしまい、今では忘れられない夏の思い出として笑い話になっています。(今では完璧に復活しました!)
以前はお盆前にクラゲが出ることはあまりなかったのですが、気温が高くなるのが早まったからでしょうか、今年は7月のうちからあちこちでクラゲの目撃情報が出回っていました。
夜は祭りへ

夕方には、シェアメイトが参加しているお隣佐賀県の浜崎祇園山笠を見に行きました。このお祭りは1753年に始まった伝統行事で、山車の高さと美しさで有名。飾り山笠は高さ約15メートル、重さ5トンという巨大さなのです!
夜の山笠を見に行くと、ひときわ高い電柱が目につきました。 「なんでこんなに高いんだろう?」と不思議に思っていると、なんとこの土地の人たちが祭のために電柱を高く工事し直したのだとか。そのおかげで今も巨大山笠が街を駆け抜けることができるのです。
夜空に浮かび上がる山車は、まるで動く灯籠のようで思わず息をのむほど。この山車も全部手作りというのだから驚きです。巨大な山車を引くシェアメイトは、日中の草刈り姿とはまた違って、とてもかっこよかった!
毎日が夏休みのような、糸島の夏

畑を耕し、棚田に立ち、渓谷で涼み、海で泳ぎ、祭りで心を揺さぶられ、庭で花火をする。便利さや効率だけでは測れない豊かさが、この暮らしに詰まっていると思います。
楽しいことばかりではない田舎暮らし。でも、大変さを分かち合える仲間がいれば“大変さ”は“面白さ”へ変わっていきます。ゲストやバイタリティあふれるインターン生たちのおかげで私たちも夏をたっぷりと満喫することができました。大人になっても夏は楽しい!
この季節が終わってしまうのは少しさみしいけれど、最後まで味わい尽くしたいと思います。
今年の夏は、ひたすら古民家リノベ!

さて、今回は田舎暮らしの夏の1日をご紹介しましたが、実は今年の夏は古民家のリノベばかりしていました。壁を壊し、漆喰を塗り、床を張り……小さな2階の部屋をリノベしているときは、室内はサウナのように暑くなり、体力をかなり持っていかれました。
ですが、みんなの頑張りのおかげで着々と素敵な空間が出来上がっています。その様子はまた次回の記事で紹介していこうと思うので、どうぞお楽しみに!
三ツ矢青空たすき編集部より:
第9回から3回にわたり糸島の夏の様子をお伝えいただきました。いとしまシェアハウスの暮らしをのぞいてみると、なんと五感をフルにつかっていきいきと日々をすごしているのだろうとうらやましくなってしまいますね。
大家族での生活、畑仕事、川遊び、地域の祭り、DIYまではいかなくともふすまの張替えなど…いずれも半世紀くらい前には珍しくはなかった景色、生活が次第に失われつつあります。
ちはるさんたちの毎日がどうしてこんなにキラキラしているのだろう、と読み返してみたとき、“海にいこう”という仲間の誘いにのってみる余裕、“それぞれが思い思いの過ごし方をする”自由、“これを夕飯にしよう”と自分以外の誰かと分かち合う気持ち。
それはどれも時間と心に十分なスペースがあるから生まれているのかなと感じました。
時間に追いかけられ、目の前の家族の話にゆっくり耳を傾けられなかったり、明日のことを考えて「今」を大事にできなくなってしまう情けない自分とは真逆のくらしがまぶしいです。久々にミヒャエル・エンデの『モモ』を読み返してみたくなりました。時間と心を取り戻したいと思います。


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